私が高校生の頃、興味はあるけど、えらくうさんくささを感じる本だなあと思い敬遠していた本が、この「戦争論」でした。それから10年が経ち、とある人の紹介でこの本を手にするに至りました。良いタイミングで読んだのではないかなあと言う印象です。漫画ですがボリューミーで、読むのにかなり時間がかかります。
この本を読んで思ったことは、「良かった…」ということ。また、「日本って必ずしも負けてなくないか?」ということ。
私は広島出身ですが、だからなのか、どこでも似たようなものなのか、「自由・平等・平和」というフレーズを教育機関でかなり浴びた気がします。この本を読んで、それが左翼思想(共産主義思想)だということに初めて気付きました。言われてみれば心当たりがあるのです。言ってることは正しいけど、何か腑に落ちないという違和感。
戦争はダメだ。うん、正しい。太平洋戦争は誤りだった。そうなの? 日本はひどいことをした。そうなの? 迷惑をかけた国に謝罪しないと行けない。そうかもしれない。
まあ、それを受け入れるとしよう。ということは、だ。我々のじいちゃん・ばあちゃん世代はろくでなしの集まりと言うことになるのだが、本当にそうなのか。そして、僕たちは、そのろくでなしの子孫なわけですよね。さて、そんなろくでなしが集まって、世界一治安の良い国になり得るのでしょうか。これほど豊かになれるものなのでしょうか。それを自信を持って「否!」と言わせてくれたのが、この本でした。これが「良かった…」と思ったところです。
「日本って必ずしも負けてなくないか?」の方は、戦後の植民地の解放についてです。第二次大戦まで、アジアやアフリカはほとんどが植民地になっていました。それが、どうして第二次大戦後、一斉に独立し始めたのでしょうか。その答えをこの本で知ることができます。そうして、ついぞ日本が植民地になることもなかったわけでね。あの流れでなら、日本が植民地になっていたとしても何ら不思議ではないのですよ。東京大空襲や原爆投下を始め、あれだけの一般市民虐殺を経てすら、復興を遂げて今に至る日本。無宗教の私でも、日本の神様ってどんな人だっけ?と気にしだすのもご愛嬌ですよ。
ちなみに、小林よしのりは「おぼっちゃまくん」の作者でもあります。私と同年代なら、「ああ!」と思うのではないでしょうか。えらく異色な方向で攻めてますよね。
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